マリオットバケーションクラブ(Marriott Vacation Club)は、うまく活用すれば家族旅行の満足度を高められる仕組みです。
しかし、制度上の特徴を理解せずに契約すると、想定とのギャップが生じやすい商品でもあります。
この記事では、実際にマリオットバケーションクラブを購入して感じた、制度・構造の観点から見たデメリットを整理します。
デメリット① 仕組みが複雑すぎる
マリオットバケーションクラブの最大のデメリットは、制度が非常に複雑であることです。
一口に「マリオットバケーションクラブのタイムシェア」といっても、実は大きく分けて2つの制度が存在します。
- 週単位のタイムシェア
- ポイント制のタイムシェア
そして現在主流となっているのはポイント制ですが、そこからさらに制度が分かれています。
まずは週単位のタイムシェアとポイント制のタイムシェアの2つの制度からみていきます。
① 週単位のタイムシェア
当初販売されていたのは、特定のリゾートで決まった週を所有し宿泊する制度でした。
例えば、ハワイ コオリナで
- 毎年オーシャンビューの2ベッドルーム
- 隔年マウンテンオーシャンビューの3ベッドルーム
というように、定期的に所有している場所へ滞在できる権利を持つ仕組みです。
特徴としては:
- 滞在が予測しやすい
- 安定したバケーションが可能
- 予約競争の影響を受けにくい
「毎年又は隔年で同じリゾートに休暇を取って訪れる」スタイルの方には向いていました。
② ポイント制タイムシェア
現在主流なのがポイント制です。
ポイントを使って、
- リゾートの選択
- 宿泊日数の調整
- 部屋タイプの変更
などを柔軟に行うことができます。
旅行スタイルや家族構成に応じて計画を立てられるため、近年はこちらが主流となっています。
そして、ポイント制はさらに2つの制度に分かれています。
ここが非常に分かりづらい部分です。
現在のポイント制は、大きく次の2つに分かれます。
- デスティネーションポイント
- アジアパシフィックポイント
そして重要なのは、どこで契約するかによって購入できるポイント制度が異なるという点です。
- ハワイ・コオリナで購入 → デスティネーションポイント
- タイ・プーケットで購入 → アジアパシフィックポイント
つまり、同じ「マリオットバケーションクラブ」という名称でも、制度そのものが異なります。
制度の違いは具体的に何が変わるのか?
違いの一例として、次のような点が挙げられます。
- 管理費の違い
- 毎年発生する管理費は、一般的にデスティネーションポイント(ハワイ契約)の方が高い傾向あり。
- ローン金利の違い
- アジアパシフィックでは無金利キャンペーンがある一方、ハワイ契約では20%を超える金利ケースあり。
- 予約の取りやすさの違い
- ハワイ・コオリナの予約に関しては、デスティネーションポイントの方が有利になるケースあり。
また不動産所有の有無も異なり、アジアパシフィックポイントでは不動産所有はなく期日指定があるポイントになり、ハワイで購入するデスティネーションポイントは土地権利もある不動産所有型となります。
これは長期的にみても大きな違いで、特に手放す際などの出口戦略に大きく関わります。
まず、アジアパシフィックポイントを手放した場合です。資産としては何も残りませんが、比較的簡単に手放すことができ、手放した時点で毎年の管理費支払い義務はなくなります。
一方、デスティネーションポイントは不動産扱いとなっていることもあり、売却時には手数料が必要となり、売却しない限り年会費を支払い続ける必要があります。
今後、購入を検討される際は、どの権利形態がご自身に合っているかを考えたうえで購入されることをおすすめします。
1人の営業担当から両制度を完全比較することはできない
さらに複雑なのは、営業担当者は基本的に自分の販売エリアの商品しか扱えないという点です。
そのため、
- ハワイ制度とアジアパシフィック制度を同時に公平比較する
- メリット・デメリットを横並びで検討する
ということが構造的に難しい場合があります。
これも制度上のデメリットの一つです。
私は3回参加してようやく理解できました
週単位制・ポイント制・契約国の違い・管理費・金利・予約枠…
これらを1〜2時間で完全に理解するのは、正直かなり難しいと感じました。
実際に私も恥ずかしながら、購入前に説明会に3回参加しました。今振り返っても、1回だけの説明ではほとんど何も理解できていませんでした。
- 1回目:正直よく分からないまま終了
- 2回目:制度の違いが見えてきた
- 3回目:疑問点を整理して質問し、納得できた
制度の複雑さこそが、マリオットバケーションクラブ最大の構造的デメリットだといえます。
制度理解が不十分なまま契約すると、想定外の負担に直面する可能性があるため、購入の際は納得のいくまで説明会にて疑問解消することをおすすめします。
なお、説明会には参加条件がありますが、参加するとハワイ3泊無料宿泊特典などが付くキャンペーンが実施されることもあります。
条件や特典内容の詳細は、以下の記事でまとめています。
デメリット② 毎年の管理費発生
マリオットバケーションクラブは「会員権の購入」で終わりではありません。
購入後も毎年管理費(年会費)が発生します。
説明会では購入価格の話が中心になりやすいですが、実際にはこの管理費こそが長期保有における重要ポイントです。
毎年発生する固定費は累計金額で見ると大きい
管理費は、利用の有無に関わらず原則として毎年発生します。
- 今年旅行に行かなくても発生
- 使わなかった年でも発生
- 保有している限り継続

つまり、ホテル予約とは異なり、「使わなければゼロ」という仕組みではありません。
この点を十分に理解していないと、長期的に負担を感じやすくなります。
管理費は毎年の金額で見ると許容範囲に感じる場合があります。
しかし、10年・20年と積み上げた場合の累計金額は決して小さくありません。
例えば、仮に年間管理費が一定水準であった場合でも、
「年間×保有年数」で考えると大きな固定費となります。
この累積コストを理解したうえで契約することが重要です。
説明会では購入価格が中心になりやすい
説明会では、会員権自体の購入価格やポイント数の話が中心になります。
そのため、管理費の話は金額提示はされるものの、印象として薄くなりがちです。
また、管理費の金額は、契約形態やポイント数、契約エリアによって異なります。正確な金額感をしっかりと掴むためにも、最新条件を説明会で確認するのが確実です。
契約を検討する際は、
- 年間管理費はいくらか
- 将来的な値上がりの可能性はあるか
- 為替の影響を受ける契約か
といった点を必ず自分から確認することをおすすめします。
デメリット③ 海外旅行が制限されるリスク
マリオットバケーションクラブの制度上の大きな特徴は、主要リゾートの多くが海外に集中していることです。
代表的な物件は、
- ハワイ(コオリナ・ワイキキなど)
- 北米(フロリダ・ラスベガスなど)
- 欧州(フランス・スペイン)
- アジア(タイ・バリなど)
日本国内に専用リゾートはありません。
そのため、海外旅行ができない・しない=実質的に利用困難になりやすい構造です。
パンデミックや国際情勢の影響を受けやすい
実際にコロナ禍では、入国制限・隔離措置などにより、海外旅行自体が困難な時期が約2年続きました。
このような状況では、
- 出国できない
- 入国後の隔離が必要
- 航空便が減便・停止
といった要因により、理論上は予約できても実質利用が難しい状態になります。
ハワイ コオリナのリゾートはコロナ禍で休業し、予約済みの旅行をキャンセルせざる得ないオーナーの方も複数いらっしゃり救済措置対応などにも苦戦されていたのが印象的です。
さらに、パンデミック以外にも、
- 為替急変動
- 戦争や外交問題
- 国際関係の緊張
などが利用ハードルを上げる要因となります。
マリオットバケーションクラブは所有型のタイムシェアであるため、利用の有無に関わらず管理費(年会費)は原則毎年発生します。

つまり、「使えない年」=コスト回収不能年になりやすい構造です。
ホテル予約と異なり、利用しなければ支払いがゼロになる仕組みではありません。
国内マリオットホテルへ振替可能だが制約あり
制度上、ポイントを国内の一部マリオットホテル宿泊へ振り替えることは可能です。
しかし以下の制約があります。
- ポイント効率が低いケースが多い
- バケーションクラブリゾート宿泊と比較すると必要ポイント数が割高になりやすい
- 利用対象ホテルが限定される
そのため、「利用できないよりは良い」選択肢ではあるものの、経済的価値は下がりやすいのが実情です。
このように、海外中心型の制度であること自体が、時にマリオットバケーションクラブのデメリットの一つとなる場合があります。
利用できない期間があっても管理費は発生するため、この点は制度上のリスクとして理解しておく必要があります。
デメリット④ 為替変動による円安影響
マリオットバケーションクラブの契約では、基本的に会員権の購入費用や管理費がドル建てで設定されています。
そのため、当然ですが為替レートの変動によって実際の支払い金額が大きく変わる可能性があります。
例えば、同じドル建て金額でも、
- 1ドル=100円の場合
- 1ドル=150円の場合
- 1ドル=200円の場合
では、日本円換算での支払総額は大きく異なります。

私自身も契約時に複数の為替パターンでシミュレーションしましたが、為替が動くだけで総支払額が想像以上に変動し、コスト計算がまとまらなかった点で購入するか否かを最後まで悩みました。
為替は将来予測が極めて難しく、正確な将来コストを算出することは事実上不可能に近いと言えます。
一般的な旅行との大きな違い
通常の海外旅行であれば、
- 為替が不利だから今年は旅行を控える
- 円高になるまで待つ
といった判断が可能です。
つまり、為替リスクをある程度コントロールできます。
しかし、マリオットバケーションクラブでは事情が異なります。
管理費は毎年発生する固定費であるため、為替が不利な年でも支払いを避けることができません。
ここが、通常の旅行との大きな違いです。
円安局面では利用ハードルも上がる
為替の影響は会員権購入や管理費だけではありません。
- 航空券価格の上昇
- 現地滞在費の増加
- 外食やアクティビティ費用の上昇
円安局面では海外旅行全体のコストが上がります。
つまり、
「利用コストは上がるのに、管理費は必ず発生する」
という二重の負担構造になる可能性があります。
長期保有前提の商品である以上、個人でコントロールできるものではない為替に向き合っていく必要がある、この為替リスクは、制度上避けられない構造的デメリットの一つです。
デメリット⑤ 予約が取りづらい場合あり
マリオットバケーションクラブのデメリットとして、オーナーの間でよく話題になるのが「人気シーズンの予約難易度」です。
特にハワイ・コオリナでは、繁忙期(年末年始・夏休みなど)は予約が取りづらいという声を聞くことがあります。
これは単純に部屋数が少ないというより、契約形態ごとに予約ルールや予約枠が異なることが影響しています。
契約形態による予約ルールの違い
前述の通り、マリオットバケーションクラブには複数の契約形態があり、例えばコオリナでは主に以下のようなオーナー形態があります。
- 週単位の所有権(山側・海側などで区分)会員
- デスティネーションポイント会員
- アジアパシフィックポイント会員
それぞれの契約形態ごとに予約枠が設けられているため、同じリゾートであっても予約条件は一律ではありません。
週単位の所有権を持つオーナーは、基本的に毎年同じ週に滞在する権利を持っています。
また、週権利は「山側(マウンテンビュー)」と「海側(オーシャンビュー)」などで分かれています。
一方、ポイント制の場合、ポイント数が足りていれば、空室がある限り山側・海側のどちらも予約可能です。
この柔軟性がある一方で、人気のオーシャンビュー1ベッドルームなどは予約開始直後に埋まることがあると言われています。
制度理解と早期予約が鍵
部屋自体は存在していても、契約形態ごとに先行予約枠が設定されている場合があります。
そのため、契約形態によって、予約できるタイミングや優先順位が異なることがあります。
結果として、人気日程の先行枠は短時間で埋まることがあるのです。
予約難易度は、
- 契約形態の違い
- 予約開始日の把握
- 繁忙期の需要集中
などが複雑に絡み合っています。
つまり、制度理解とタイミングが重要で早めの予約を行うことで「予約が取れない」デメリットを解消していく必要があると言えます。
この予約構造を理解していないと、「思ったより取りづらい」と感じる可能性があります。
まとめ|制度を理解した上で判断することが最も重要
ここまで、マリオットバケーションクラブの構造的なデメリットを整理しました。
- 制度が複雑で理解に時間がかかる
- 管理費という固定費が毎年発生する
- 海外渡航が制限されると利用が難しくなる
- 為替の影響を受ける
- 予約は制度理解とタイミングが重要
これらはすべて「制度上の特徴」であり、メリットの裏側にある構造です。
実際に制度を深く理解しようとすると、
- 契約形態の違い
- 管理費の構造
- 予約枠の仕組み
- 為替リスク
など、確認すべきポイントが多くあります。
1〜2時間の説明だけで完全に理解するのは簡単ではありません。
だからこそ、実際に私自身も購入前に3回説明会で詳しく話を聞いた様に、まずは制度を知る場として説明会を活用するという考え方もあります。
マリオットバケーションクラブの説明会は参加条件がありますが、参加するとハワイ3泊無料宿泊特典などが付くキャンペーンが実施されることがあります。
制度を知りながら特典も受け取れるため、購入前の情報収集として活用している方も多いです。
参加条件や特典内容の詳細は、こちらの記事でまとめています。
マリオットバケーションクラブは決して安い買い物ではありません。
だからこそ、理解せずに即断することが最大のリスクと言えます。
ここまでデメリットを列挙してきましたが、私自身はマリオットバケーションクラブを購入して大変満足しています。制度を知り、数字を確認し、自分のライフスタイルに合うかを冷静に判断する。
その上で納得できるなら、非常に魅力的な選択肢になる可能性もあります。
まずは正しい情報を知ることから始めてみてください。


