航空会社の上級会員資格を他社でも取得できるプログラムである、ステータスマッチに挑戦したことはありますか?例えばユナイテッド航空ではJALステータスを持つ場合、一定条件を満たせば上級会員資格を120日間体験可能です。しかし、ステータスマッチが成功するかどうかは保証されず、失敗するリスクもあります。成功すれば、ラウンジアクセスや優先搭乗などの特典を受けられますが、慎重な準備が必要です。この記事ではJGC(JALグローバルクラブ)からユナイテッド航空へのステータスマッチの方法、実際の申請結果について詳しく紹介します。
ステータスマッチとは?
ステータスマッチとは、ある航空会社の上級会員資格を保有している人が、別の航空会社でも同様の上級会員資格を取得できるプログラムのことです。上級会員資格は通常、多くのフライトをこなすなど定められた条件をクリアする必要がありますが、ステータスマッチを利用することで、別の航空会社での上級会員資格をスムーズに取得可能です。
具体的な例を挙げると、ユナイテッド航空では、他の航空会社の上級会員が一定の条件を満たせば、ユナイテッド航空のマイレージプラス・プレミア資格を取得できるステータスマッチプログラムを提供しています。取得ステータスはステータスマッチ元の種別によって異なり、プレミアシルバー、プレミアゴールド、またはプレミアプラチナステータスの何れかを120日間体験することが可能です。加えて、120日間の体験期間内にユナイテッド運行便の搭乗数次第では、更にステータス保有期間を延長することも可能です。
ステータスマッチは航空会社によって条件が異なり、全ての申請が承認されるわけではありません。しかし、成功すれば、ラウンジアクセスや優先搭乗、追加手荷物の無料預け入れなど、さまざまな特典をすぐに享受できるため、多くの旅行者にとって魅力的なプログラムとなっています。
ステータスマッチを行うメリット
時間・費用をかけずに上級会員資格を得られる
ステータスマッチを通じて、他の航空会社で既に持っている上級会員資格をユナイテッド航空に適用することで、通常の条件を満たすことなく、すぐにプレミア資格を得ることが可能です。通常は航空会社のステータスを獲得するために飛行機にたくさん搭乗する「修行」を半年〜1年ほど行い、時間をかけて上級会員資格取得に至ります。また当然「修行」には航空券購入も必要ですので、100万円前後の費用負担も発生します。これらの時間・費用をかけることなく上級会員資格を得ることができ点は大きな利点です。
同一アライアンスの他航空会社でも特典享受ができる
上級会員資格を得ることで、航空ラウンジアクセス、優先搭乗、追加手荷物の無料預け入れなどの特典が利用可能になります。特に、同一アライアンス内であれば基本的には他航空会社利用時は上級会員として利用できるのが大きな魅力です。例えば、ユナイテッド航空はスターアライアンスに加盟しているため、ステータスマッチで得た上級会員資格は、他のスターアライアンス加盟航空会社でも有効です。日本国内ではANAがスターアライアンスに加盟をしており、ユナイテッド航空の上級会員資格を取得することはANAでの上級会員資格保有に繋がります。ANAのステータス取得のための「SFC修行」を行う前に、ANA上級会員サービスを体験してみたい方などには打ってつけの機会ではないでしょうか。
複数の航空会社での特典享受
すでに持っているアライアンスと異なる航空会社の上級会員資格とステータスマッチを併用することで、複数の航空会社で同時に上級会員特典を享受できます。例として、ワンワールドに所属する「JAL」の上級会員資格で、スターアライアンスに所属する「ユナイテッド航空」へのステータスマッチが成功した場合は、ユナイテッド航空のステータス維持期間は実質ワンワールド・スターアライアンスそれぞれの上級会員資格を有していることとなります。それぞれの上級会員資格を有していることで、上級会員として搭乗できる航空会社が増え、アライアンスに捉われず経済的メリットや、好みのサービスなどの観点から航空会社を選択することが可能です。これにより、世界中の提携航空会社でラウンジアクセスや優先サービスを利用することができ、国際線の旅行がさらに便利になります。
JALからUAへのステータスマッチ方法
JALのワンワールドサファイヤステータス(JGCなど)からユナイテッド航空へのステータスマッチを行う方法は、以下のステップに従います。ユナイテッド航空はステータスマッチプログラムを通じて、他の航空会社の上級会員資格を持つ旅行者に対して、自社の上級会員資格を一時的に提供し、その後、特定の条件を満たせば正式な資格を付与します。
1. 必要書類の準備
ステータスマッチを申請する際には、以下の書類が必要です:
- 現在の上級会員資格証明: JALステータスを示すステータスカード(物理カード)のコピー。
- JALでは物理カードは希望者のみへの配布ですので、事前取得をしておきましょう。
- ユナイテッド航空のマイレージプラスアカウント: ステータスマッチを受けるには、ユナイテッド航空のマイレージプラスプログラムに登録しておく必要があります。
2. ステータスマッチの申請
まずはユナイテッド航空のステータスマッチプログラム専用ページにアクセスし、ユナイテッド航空アカウントへサインインをします。
サインイン後は、下記必要事項を入力し申請します。フォームには、先に準備した書類のアップロードが必要です。
- ステータスマッチ元の航空会社名
- ステータスマッチ対象となっている航空会社名がプルダウン選択可能となっているので、今回はJapan Airlinesを選択
- ステータスマッチ元のステータスレベル
- JALは申請対象ステータスのCrystal, Sapphire, Premier, Diamondからご自身の該当するステータスを選択。※一時は「JGC」という選択肢もありましたが現在は削除されています
- ステータスマッチ元のマイレージ会員番号
- ステータスマッチ元の最新年度の会員カード
- 有効期限が記載されたJALステータスカードを添付します。デジタルカードには有効期限表記がなく非承認の可能性が高い為、物理カードでの申請をオススメします。
- UAステータス開始希望日
- 本ステータスマッチによる資格有効期限は120 日間の為、活用できる利用期間を逆算し設定しましょう。自身の体験では申請当日に回答がありましたが、公式には7 ~ 14 日以内に処理が行われるとの記載があるため利用したい旅行日程が決まっている場合は余裕を持った申請が必要です。
実際にステータスマッチを申請してみた
スターアライアンスであるシンガポール航空の利用予定があったため、JGCサファイア(平JGC)からのステータスマッチを申請をしてみました。ネット上では緑のステータスカードであるJGCサファイア(平JGC)では成功する方・失敗する方がそれぞれいらっしゃる様でドキドキの申請でしたが、残念ながら結果は失敗に終わりました。申請プロセス自体はスムーズで、必要な書類の提出や情報入力は問題なく完了しましたが、最終的に承認を得ることができませんでした。
UAの方にお尋ねをしてみたところ、一般的には「JGCサファイア(平JGC)ではステータスマッチが通らない」そうです。ただし稀にJGCサファイア(平JGC)でもステータスマッチが成功する場合もあるとも仰っていました。UAステータスマッチの判定は申請時のステータスカードを機械的に判定しており、人為的チェックを行っている訳でない様でしたので、緑のカードでの成功可能性は非常に低い印象です。JGCサファイア(平JGC)へのステータス変更予定があるJGCサファイア以上の方は早めの挑戦をオススメします。
結果としてステータスマッチは失敗に終わりましたが、この経験を通じて、ステータスマッチの難しさや他の航空会社のプログラムを理解する良い機会となりました。次回は、さらに準備を整え、より良い結果を目指して挑戦してみたいと思います。
まとめ
ステータスマッチを活用することで多くのメリットが享受できる一方、多くの旅行者がこれらのプログラムを利用しており競争が激化していることが予想されます。
実際に自身もステータスマッチに挑戦し失敗となり、ステータスマッチは成功すれば大きなメリットがある一方で、失敗した場合の代替案を考えておくことの重要性を再確認しました。例えば、他のスターアライアンス加盟航空会社へのステータスマッチを試みる、あるいはユナイテッド航空のマイレージプラスプログラムで通常の資格取得を目指すことなど、複数の選択肢を持つことが今後の旅行計画にとって大切です。
またステータスマッチが承認された場合はその後5年間は再度ステータスマッチを実施できないなど、細かな制限もある為予め各航空会社の詳細条件を確認の上挑戦していきましょう。